愛知県西尾市に御座います文十鳳凰殿 西尾幡豆斎場にてお見送りのお手伝いをさせていただきました。
【 思えば、母はよく昔話をしてくれました。
関東大震災、三河地震の体験談、丸の内でタイピストとして働いていた若い頃のことなどです。
銀座で遊んでいたら帰れなくなりトラックに乗せてもらったこともあるそうですが、その日に起きていたのが、あの二・二六事件だったと聞いた時は、私達も驚きました。
母の口から語られると、歴史上の出来事さえ とても身近に感じられ、すーっと耳に入ってきました。
私たちの想像を遥かにこえる喜びや苦しみを知っているからこそ少々のことには動じず、のんびりとして大らかで… また、何事も器用にこなす性分。
洋裁の仕立てや指導をした時期もありますし、民謡は師範の免状を頂き発表会にも出ておりました。
元気に野菜作りに汗を流し、夫婦仲良く御嶽山登山や海外旅行を謳歌し、たくさんの思い出を綴った幾年月。
家族の胸にあふれるほどの優しさとぬくもりを残し、母は自身の誕生日に静かに瞼を閉じました。
長い間頑張ってきたご褒美のように、とても安らかな最期でした。
お気に入りの着物、大好きな民謡、そして「ありがとう」の言葉を添えて温かく送り出します。
多くの方に支えられて歩んできた『道』でした。
お力添えを賜りました皆様へ家族一同深く感謝申し上げます。 】
お題にもさせていただきました「生没同日」とは、お誕生日の日にご逝去されたことをいいます。
日本では約0.27%の確率と言われるくらい中々珍しいことですが…ましてや107歳のご長寿での生没同日でいらっしゃいました。
民謡をこよなく愛され歌詞カードをボロボロになっても大切にいつも肌身離さず持ち歩き…お孫様どころかひ孫様の成長もご覧になられ…それはそれは幸せな人生であられたことでしょう。
ご家族様も故人様を温かくお送りできたことの感謝のお言葉を繰り返しくださり、こちらこそ感謝しか御座いません。
この2日間、色々とお世話になり本当に有り難う御座いました。
お疲れが出ませんように・・・。
文十鳳凰殿 西尾幡豆斎場
内野 久美子
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